以下は平成2年の連盟の定期演奏会のパンフレットに掲載されていたものです。
新入生によせて京学三の“概念”
京都学生三曲連盟は、現在京都市内にある11の大学(大谷大学、京都大学、京都女子大学、京都橘女子大学、京都薬科大学、同志社大学、同志社女子大学、ノートルダム女子大学、花園大学、立命館大学、龍谷大学)で構成され、本年度の定期演奏会では京都教育大学の黒川君が特別参加しております。彼は笹岡汀山先生の下で長い経験を持っており、大学に入ってから邦楽に触れるものの多い連盟員の中で技術的には特殊なのかもしれませんが、新しく参加するという事には何らかの大きなパワーを必要とするもので、彼は1つの可能性を示してくれたのでしょう。
連盟は別に上位組織というわけではなく、また、単なる互助組織という訳でもありません。とらえ方として関連組織という見方が妥当ではないか、と思っています。自治という程の干渉もしません。現在の執行部も各大学の部長、会長、幹事長を務め終えた連中で構成はされてはいますが、別にしなければならないからということでもなく、やはりこれまでのしがらみやら何やらでわらわらと集まってできました。
我々連盟員は音楽を邦楽というジャンル(又はそれに限らずに)で楽しむという共通点を持ちます。だから、特に、演奏会など本質的なところで楽しめるような環境づくりを第一とし、親睦会などの俗っぽいこともまた楽しむ余裕を持ち続けたいと思います。ただ、基本スタンスやフレームづくりは執行部や上回生がやるとして、その年その季節の色づけをするのがその人の行動力にかかっているのと何ら変わりはありません。物を考え、口で伝えたら、行動であらわさないと君が損。周りも損。たくさんの人と出会い、喜んだり傷ついたりすればいいと思います。そういうきっかけをたくさんストックしているのが連盟とお考え下さい。そして時には楽しいばかりではなく、真剣に物を考えてみて馬鹿を見ない程度には真摯でありたいと思います。末筆ではありますが、京学三に興味を持たれた非加盟の邦楽関係部は連盟宛にご一報下さいませ。
新入生諸氏に遅まきながら御入学御入部のお慶びを心より申し上げます。
平成2年5月11日
京都学生三曲連盟執行部一同